葉書の木・多羅葉(タラヨウ) 奥河内のどこに??

小深の元・小深神社(現・天狗堂)の境内に多羅葉(タラヨウ)の木がある。
この多羅葉の葉の裏に傷を付けたり、あるいは文字を書くと黒く浮かび上がる。この性質を利用してこの葉に文字が書かれた。
また葉を焙ると黒い斑点が出る。そのため、葉を焙って吉凶を占うのに使われたので寺社に多く植樹されていた。
当境内に植わっているものその名残かも知れない。
多羅葉の葉は、肉質で長さ15Cm強、幅5Cm強の長楕円形をしており、葉の周辺にギザギザがある。
多羅葉(タラヨウ)と言う名は、インドで葉の裏に「経文」を書くのに使われたヤシ科の多羅樹(たらじゅ)に由来すると言われている。
我が国では、戦国時代、この葉の裏に文字を書いて、情報のやり取りをしたと言う説もあり、これが「葉書(はがき)」の語源になったと言われている。
また日本郵便では、この木を「郵便局の木」に指定している。そのため多羅葉は、「葉書の木」とも「郵便局の木」とも、あるいは字が書けるので「手習いの木」とも呼ばれている。
この多羅葉の葉の裏に竹串などで宛先を書き、120円の切手を貼れば葉書とみられ、郵便物の扱いが受けられる。
一度、この葉に書かれた暑中見舞いをもらったことがある。受け取った時は、誰かが悪戯で郵便受けに木の葉を投げ入れたと勘違いしたのだが・・・。
でもその後、このように粋で心温まる暑中見舞いに感動したことが懐かしく思い出される。
ところで、この多羅葉の木は小深だけでなく、高野街道のソソコ谷前の大豊橋のたもとや観心寺の山門横にも見られる。郵便局では、千代田郵便局や長野郵便局に見られるが、なぜか三日市郵便局には無い。

西風狂散人(かわちのふうきょうさんじん)