大飯原発 関西を消滅させる !!

関西電力の大飯原発が稼働しているが、敷地内には、活断層の存在も懸念されている。このような原発を本当に稼働させていて良いのであろうか。
大飯を初め美浜、高浜、敦賀など若狭湾周辺に立地する原発と、平成23年に事故を起こした福島やその他の地域に存在する原発とは、その立地条件は全く異なる。

まず第一に、被害を受ける住民の数と事故による影響の大きさは、計り知れない。
福島の場合、原発が立地する所から30Km圏内に住む住民の数はわずかであった。そのため事故による影響は甚大であったが、それでもまだまだ少なかった。
しかし、仮に若狭湾に立地する原発で事故があり、琵琶湖が汚染されると、生活用水が確保できず、関西圏の住民・1500万人が生活できなくなる。
従って、人が住めない地域が関西圏に出現するのである。新幹線は新大阪駅には止まらないし、名神高速道路も国道1号線も使えなくなる。物流が出来なくなれば生活物資の調達も不可能になる。
人が住めない土地が関西圏に、この日本国内に出現するのである。
さらに、原発事故が起これば、この関西圏にすむ1500万人は何処に住むことになるのであろうか。
移住が可能であろうか。

第二に、日本全国の原発は、海岸部に立地しており、仮に、その原発で事故が起こると、汚染物質は周辺の河川を経て近くの海に流れ出すが、その被害は、原発立地周辺だけの問題で済む。
しかし若狭湾に立地する原発で事故が起これば、汚染物質は、琵琶湖に流れ、淀川を経由して大阪湾に流れて行く。その結果、立地県の福井だけでなく、周辺の滋賀県は勿論のこと、京都府、大阪府、神戸地区などもその被害を被る。
従って、同じ原発立地30Km圏でも、その意味するところは全く異なる。

第三に、原発事故が起こると、生活用水は勿論のこと、工業用水も確保ができない。
そのため日本の産業は、壊滅的被害を受け、場合によっては、日本経済は立ち行かなくなる可能性すらある。

そして、重要なことは、これだけの問題が想定されていても、敢えて原発を稼働させるならば、そして仮に事故が起これば、その責任は誰が取るのであろうか。
稼働させて事故が起これば、稼働させた責任者は、稼働させた時点まで遡り、さらに現在その原発の稼働を容認している当事者全てを処罰すべきであろう。電力会社を解雇された、議員を辞めた、大臣を辞職した程度の問題ではない。
周辺住民の生活を奪い、仕事を奪い、生命を奪うことも起こりうるであろう。無期懲役に匹敵する処罰が下されても、刑は重過ぎることはない。むしろ軽るすぎるであろう。

いずれにしても、裁判などでは「疑わしきは罰せず」と言われるが、原発では「不安があれば、稼働せず」が基本の考え方ではないだろうか。
                                      (梅園 光)《奥河内の閑適庵隠居》