基準点とは、地球上の位置、次に海面からの高さが測定されたもので、これらには“水準点”や“三角点”、さらに“電子基準点”などがある。
そしてこれらの基準点から得られた数値が地図の作成や測量の基準となっている。
水準点は、東京湾の平均海水面を0mとした“高さの基準”であるが、日本の標高の原点を示す“水準原点”は、明治24年(1891)旧陸軍の参謀本部陸地測量部が設置した。この時、水準原点の標高は、東京湾の平均海面から測量した24.5mと定められたが、現在は、24.39mに修正されている。
そしてこの原点をもと全国の国道や地方道沿いに約2Km間隔で約17000ヶ所に標高の水準点が設けられ、土地の高さを精密に測量することができるようになった。なお富士山の標高もこれによって決められている。
花崗岩の台石に水晶板をはめ込んだ原点は、ギリシャのパルテノン神殿をうかがわせるような石造の建造物で保護され、現在、国会議事堂前にある。
なお令和元年(2019)10月、当“水準原点”は、重要文化財に指定された。
三角点は、山の頂上付近などに設けられ、地図作成などに活用されているが、これには一等から四等まであり、全国に約11万点設けられていて、基準点の中では一番多い。
この三角点は“水平位置の基準”で、これも旧陸軍の陸地測量部によって国土の正確な地図の作成を目的に設置されたものであるが、この基準点により日本全土をカバーする大三角網が張り巡らされてきた。
電子基準点は、地上約2万Kmを周回するGNSS(全世界的衛星測位システム)衛星、例えば日本の衛星“みちびき”やアメリカのGPS衛星などからの電波を受信する新しい観測点である。
地殻変動の常時監視や地震、火山噴火の予知あるいは、地図の作成など幅広く活用されている。
国土地理院は、この基準点を約20Kmの間隔で全国に約1300点設けていて、北は北海道の稚内から最南端の沖ノ鳥島、最東端の南鳥島、そして最西端の与那国島、もちろん富士山の頂上にも設けられている。
基準点は、高さ5mのステンレス製の筒の上部にアンテナが、内部に測量用の受信機などが納められている。
ちなみに大阪府下では、次の9ヶ所(点)にこの電子基準点(局)が設けられている。
(1)大阪市中央区 銅座公園 (局名称:大阪)
(2)阪南市立 桃の木台小学校(局名称:阪南)
(3)箕面市立 第二総合運動場(局名称:箕面)
(4)交野市立 岩船小学校 (局名称:交野)
(5)堺市立 八田荘小学校 (局名称:堺)
(6)河南町立 中村小学校 (局名称:河南)
(7)熊取町立 北小学校 (局名称:熊取)
(8)八尾市立 南山本小学校 (局名称:八尾)
そして9ヶ所目の局が河内長野の市立美加の台中学校(局名称:河内長野)の校庭に設置されている。このように電子基準点のほとんどは、小中学校の校庭に設けられているようである。
なおこの基準点は、約20Kmの間隔に設けられているが、美加の台中学校と河南町の中村小学校の基準点とは約7.2Km、堺の八田荘小学校とは約14.7Km離れていて、例外もあるようである。
ところで大阪府下でも北摂の高槻市、茨木市、池田市、豊中市、吹田市や、泉州市、岸和田市、和泉市あるいは東大阪市、藤井寺市など26市、6町、1村には、この電子基準点設けられていない。
(筆者注)
電子基準点
R2・6・12 横山 豊