浜口梧陵(その1)『稲むらの火』【関白のつぶやき】
「これは、ただ事でない」 とつぶやきながら、五兵衛(ごへえ)は家から出て来た。今の地震は別に烈しいという程のものではなかった。しかし、長いゆったりとしたゆれ方と、うなるような地鳴りとは、老いた五兵衛に …
「これは、ただ事でない」 とつぶやきながら、五兵衛(ごへえ)は家から出て来た。今の地震は別に烈しいという程のものではなかった。しかし、長いゆったりとしたゆれ方と、うなるような地鳴りとは、老いた五兵衛に …
“葉隠の花”を詠んだ歌は10首ほどあるようであるが、このうち“葉隠”と“恋”とを絡めて詠んだ歌は、数首しか知らない。そのうちでも西行が詠った“忍ぶ恋”の歌が私は最も好きである。 葉隠に 散りとどまれる …
南海・天見駅前から出合の辻を通り流谷に入ると、美しい渓谷が続く。“勧請縄掛け”で有名な流谷の八幡神社を過ぎ、流れに沿ってさらに進むと、視界が大きく開ける。そこに美しく整備された棚田が広がっている。 …
西高野街道が河内長野に入り、北坂を登って少し進むと松林寺に至る。 当寺は鎌倉期の僧・叡尊(えいぞん)が創建したと伝える真言律宗の古刹である。当寺の山門に釘隠し(くぎかくし)がしつらえている。 釘隠しは …
奥河内の名刹・三ヶ寺のうち、筆頭寺院は河合寺で観心寺と金剛寺がそれに続いた。しかし河合寺は衰退し、現在、河内長野での名刹は、延命寺と観心寺、金剛寺となっているようである。これらの河内長野の名刹でさまざ …
南海・三日市町から東に歩を進めると延命寺に至る。 当地はかって“鬼住”と言われていたように“鬼”にまつわる伝承が語り継がれ、そして当寺には、鬼を退治したと伝えられる弓矢も残されていて、おとぎ話の世界が …
南海・三日市町駅から南に下ると法憧山地蔵寺が建つ。通称、新町の庚申堂である。 有名な四天王寺の庚申さんは、摂津の国にある。しかし河内の国(一国)では、唯一この新町の庚申堂しかない(一宇)と言われ、ここ …
萩は日本の固有種で、また“萩”という字も国字として平安時代中期に編まれた『倭名類聚抄(わみょう るいじゅうしょう)』(931~38頃成立)にすでに登場する。 春の七草は、「芹、ナズナ、スズナ(カブ)、 …
河内長野の丸石神・塞の神 散策の手引書 横山 豊著 『河内長野の丸石神・塞の神考』 A4版 108ページ 定価 1700円(消費税とも)+送料 読んで楽しく、しかも丸石神や塞の神の理解が深まる 新 …
南海・美加の台駅から国道を渡り坂道を上ると石仏寺(いしぼとけでら)に至る。高野街道は、このお寺のお堂の前の坂道で、真下の道は新しい道である。 当地では、寺院の建つ地山の岩を直接削って石仏を彫り出したの …